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玉那覇味噌醤油

創業160年。琉球王朝の味

琉球王朝末期、首里の士族屋敷に創業して160年余。県内唯一の醸造所として、王家御用達の味噌作りを引き継ぐ「玉那覇味噌醤油」さん。
1945年の沖縄戦による建物の倒壊、1972年の本土復帰に伴う県外からの味噌の流通など。幾度もの困難な状況を切り抜け、その味を守り続けています。

戦後に建て直されたという趣ある建物の中に入ると、従業員さんが試食用のお味噌を用意してくださり、味見をして好みのお味噌を選ぶことができます。
お味噌は、王朝みそ(国産丸大豆使用)、首里みそ(外国産丸大豆使用)、特選みそ(米麹と麦麹の調合)、うっちんみそ(ウコン配合)の4種類。その中から「王朝みそ750g(929円)」と「特選みそ750g(594円)」を購入。

お味噌作りを見学できるか尋ねたところ、醸造所内に入れませんでしたが、敷地内を案内していただき、味噌蔵を外から見させていただけました。
お味噌は、保存料や調味料一切不使用。蒸した丸大豆に塩、自家製の米や麦麹を混ぜ合わせ発酵させる、天然醸造と呼ばれる製法で作られていて、年間平均気温が高く、多湿な沖縄の気候を活かしたものだそうです。
寒い冬に仕込み、1年の醸造期間を要する本土とは違い、夏場は3~4ヶ月前後、冬場でも6~7ヶ月前後という、短期醸造で生まれる自然な甘味、塩味、酸味のバランスの良さが特徴とのこと。

製造する職人さんが絶え、今では手に入れることができないという、貴重な杉の木樽と、そこに潜んでいる乳酸菌。戦火をくぐり抜け、再建の際に用いられた柱や梁に、今なお生き続けている麹菌。
琉球王朝時代に築かれ、今も味噌蔵を囲っている琉球石灰岩の石垣は、気孔を多く含み、通気性がよく温度の上昇を抑える働きがあるそうで、そのどれもに味噌作りの長い歴史と風格を感じ取ることができました。

実際に購入したお味噌ですが、国産大豆使用の「王朝みそ」は、大豆のコクと香りがあり、まろみのある甘さが特徴的でとても美味しい。

外国産大豆に米麹と麦麹を合わせた「特選みそ」は、麦麹の旨みと塩みが立っていて、すっきりとした味わいです。

琉球王朝時代の歴史を感じる醸造所を、ぜひ一度訪れてみてほしいですが、玉那覇味噌醤油さんの公式ウェブサイトや県内のスーパーでもお味噌はお買い求めいただけます。琉球の伝統の味を、ご家庭でぜひご賞味ください。

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